じんま疹
じんま疹の原因と症状
じんま疹は、虫さされのような赤く出っ張りのある皮疹が、大小さまざな形で体のあちらこちらに出現し、強いかゆみを伴います。
皮疹は地図状に広がり、引っ掻くとその部位にまた新しい皮疹が出現すること、放置しても早ければ数10分、遅くとも24時間以内には一旦自然に消えるのが特徴です。
ただ、時に重症化すると、皮膚だけではなく喉の粘膜まで腫れるので、空気の通り道も狭くなり息苦しさを感じる場合もあります。このような症状が短期間で治る場合は急性じんま疹、1ヶ月以上にわたって続く場合は慢性じんま疹と呼び、慢性化した場合は数ヶ月から数年もの長期間繰り返すことが多くなります。
原因はさまざまで、食べ物、薬、家のカビやホコリや動物のフケや花粉などの環境因子、温熱、寒冷、日光、発汗時、イラクサなどの植物の接触、喉や鼻などの病巣感染、ストレスなどの心因性、珍しいものでは、小麦などの食べ物を食べたあとに運動をしたことで出るもの、まぶたやくちびるだけに出る普通の蕁麻疹より皮膚の深いところまで腫れる血管浮腫(クインケ浮腫)と呼ばれるものまで多岐に渡ります。
実際に受診される方で多いのは食べ物による影響の場合や心因性ですが、原因がはっきりしない場合もあります。
アレルギー性の蕁麻疹の場合にはその原因物質となるアレルゲンとして疑わしいものをいくつかピックアップして血液検査で調べることができます。最近は一度に36種のアレルゲンを調べることもできますので、ご希望の方は当院の医師や看護師にお尋ねください。
じんま疹の治療について
治療については、まず、原因がわかっていればそれを避けること、病巣感染が原因であればその治療をします。
原因がはっきりしなくても症状をおさめる必要があるため、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の飲み薬を飲んでもらいます。
特に慢性化してしまったじんま疹の場合は、数多くある飲み薬の中からその方に合う薬を探していきます。私はよく患者さまに「‘その薬を定期的に飲んでいれば症状は出ない’状態にもっていくのが第一のゴールです」とお話しています。
そこからさらに薬の飲み方を減らしていき、減らしすぎたら元の飲み方に戻して、といったような繰り返しを地道に行いながら、最終的には‘薬を飲まなくても大丈夫、症状が出ない’ようにもっていきます。
それが最終ゴールです。
とにかく、根気よく粘り強く治療していくことが大切です。