第1回/紫外線対策
2015年9月8日記載
夏も後半ですが、紫外線が肌にはよくないことはもう多くの方がご存知ですよね。最近はお子さんも日焼け止めを持参して宿泊行事に行かれる時代だと思います。しかし、日焼けした肌が流行していた頃に青春時代を送った方なら実感されている通り、紫外線は光老化の意味においては百害あって一利なしと言っても過言ではないと思います。しかし、屋外でのスポーツが決してダメと言っているわけではなく、紫外線対策をしっかり行って肌への負担を減らしながら健康的な生活を送るのが大切です。
そこで、紫外線対策として日焼け止めの選び方についてご紹介したいと思います。
日焼け止めの『成分』について
日焼け止めの主な『成分』として「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」が挙げられます。
このうち、紫外線吸収剤が配合されている日焼け止めの方が白浮きせずに使用感は良いものが多いのですが、この紫外線吸収剤はかぶれの原因となることもあり、日焼け止めに以前かぶれたことのある方やもともと肌の弱い方は、紫外線吸収剤が入らず紫外線散乱剤だけの日焼け止めを選ぶようにしましょう。「ノンケミカル」または「紫外線吸収剤フリー」と表示されています。
ただし、紫外線散乱剤は紫外線を跳ね返して紫外線を吸収しないため、化学反応も生物反応も起こさず肌への安全性は高いのですが、散乱させるために金属の粉が使用され、肌に塗ると白浮きしやすいといった面もありました。
しかし、最近は品質が改良されて使用感も以前よりアップしています。
日焼け止めの『表示』について
それでは、成分の話は終わって、次に、日焼け止めの『表示』についてお話しましょう。
日焼け止めに「SPF」や「PA」と表示されているのを目にした方も多いと思います。数値が高いものを朝1回塗っておけば大丈夫!となんとなく思われていませんか。
SPFは、紫外線B波から肌を守る力を表示したもので、2〜50までの数値で表示され、数値が高いほど紫外線B波からの予防効果が高くなります。
ここで気をつけたいのは、このSPFの数値は、日焼け止めを1cm2の面積につき2mgも塗った時の目安です。実際にこんな大量の日焼け止めを塗る人はほとんどいないでしょう。もし、大量に塗っているから私は大丈夫と思った人でも、日焼け止めは汗や皮脂で流れ落ちてしまうため、2〜3時間おきに塗り直すことが紫外線対策には最も大切です。ちなみに、SPF値が50以上だと効果の差がほとんどなくなるため日本では50が最高値です。
実際には、晴れた日にスポーツしたり、夏に山や高地に出かけるときは、SPF値は30〜50くらいで、しかも、汗に強いウォータープルーフタイプがよいでしょう。短時間の買い物や散歩などの外出であれば、それより低めのSPF10~30で大丈夫です。
また、SPF以外でよく見かける表示にもうひとつ、PAというものがありますね。PAは紫外線A波から肌を守る力を表示したもので、+〜+++の3段階に分けられますが、日常生活であれば+または++で大丈夫です。
日焼け止めを選ぶポイント
最後になりますが、実際に選ぶ際のご紹介です。
最近では、日焼け止めの効果に加えて、保湿作用があるもの、美白作用のあるもの、ファンデーションの機能も持ち合わせているものなど、多機能の日焼け止めがでてきています。個人的には、伸びのよいローションタイプや乳液タイプの日焼け止めを顔や首や腕などに広範囲に塗ったあと、お顔にファンデーション機能を持つ日焼け止めを丁寧に重ねて塗ると塗り残しがなくてよいと思います。
ただし、お肌の敏感は方やニキビでお悩みの方のファンデーションについては、落とすのに肌への負担が強くて毛穴を塞ぎやすいリキッドタイプやクリームタイプのファンデーションよりもパウダータイプのファンデーションがお勧めです。その場合は、まず自分の肌質にあったローションタイプや乳液タイプの日焼け止めを塗ったあとに、ルースパウダーとかフィニッシングパウダーといわれる粉をはたくだけでも日常生活では大丈夫です。
当クリニックでもいくつか製品のご用意がありますので、お悩みの方はご相談ください。
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